教育内容 Contents of Education
教育内容 Contents of Education
1. 新設教科等名とその目標・内容
本校は、2024(令和6)年1月に、国際バカロレア(IB)の初等教育プログラム(PYP:Primary Years Programme)の認定校となり、全学年においてPYPの探究プログラムを実践していくために、「探究」の時間(1・2年:315時間、3・4年:280時間、5・6年:315時間)を新設し、「教科の枠を超えた概念型探究学習」の充実を図る。
また、グローバルな視野を持つ素地の育成として、1・2年時に外国語活動(Active English)を導入するとともに、校内や社会の課題解決に挑戦する学習者を育成するために、異年齢集団により創造的な活動を計画・実施し、目標達成評価を行うCAT(Creative Action Time:35時間)を新設する。さらに、将来に生きる専門的なスキルや知識の獲得を目指して外部講師の専門的な指導を受けるChallenge Thursdays(70時間)を新設する。
2. 内容を削減する既存教科等について
(削減する理由、削減する教科等の内容及び該当内容の教育課程上の補完について)
■総合的な学習の時間と生活科、特別な教科道徳の時間は、全ての授業時数を「探究」に充て、教科の枠を超えた6つのテーマを探究するなかで補完するとともに、道徳の内容は「IBの学習者像」に寄せて指導し、平和な世界を築くことに貢献する人間を育てることをめざす。
■特別活動の全ての授業時数をCAT(Creative Action Time)に充て、実践的な課題解決能力を育成する。特別活動の内容のうち、「学級や学校における生活づくりへの参画」「日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全」「キャリア形成と自己実現」については「探究」にて指導する。
■国語科は「書くこと」「話すこと・聞くこと」を中心とした内容を「探究」で指導することとし、学年により70時間から140時間を削減する。
■社会科は指導内容の重点化を行うとともに、一部を「探究」で指導することにより、学年により20時間から35時間を削減する。
■算数は指導内容の削減を行わないが、指導方法の改善を図り、内容の重点化を図ることにより、3~6年において35時間を削減する。
■理科は指導方法の改善を行い、内容の一部を「探究」で指導することにより、学年により20時間から35時間の削減を行う。
■音楽、図画工作、家庭、体育においても、指導内容の重点化や指導方法の工夫を行うとともに、一部を「探究」で指導することにより、学年により年間15時間から35時間の削減を行う。
3. 特別の教育課程を開始する年度
2025(令和7)年4月1日~
4. 総授業時数
学習指導要領に定める内容事項を指導するため、特別の教育課程においても、標準を上回る総授業時数を確保する。
グリーン・ヒルズを選ぶ3つの理由
1. ICT・AI時代に、人としての根幹を担う 五感を研ぎ澄ます最適な教育環境
子どもたちが、国立公園の自然環境が織りなす春夏秋冬の変化を「視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚」で敏感に捉え、日々の感動や気づきから探究の種を拾い出し、育てていく学びのデザインが描ける場です。
2.子どもたちの構想力と判断力を育む少人数編成の探究プログラム
定員10名の少人数学級だからこそ、教師は子どもたち一人ひとりと丁寧に対話し、子どもたちの豊かな発想が個性的なプロジェクトとして展開できるよう支援していきます。上級学年からの宿泊旅行も、子どもたち自身で過程と実践を創り上げる重要なプログラムのひとつです。
3.平和を希求する国際バカロレアの理念に支えられた構造的なカリキュラム
異なる意見や文化をもつもの同士が認め合い、対話し、共に課題解決に向かう力を培うことを目指した、国際的なカリキュラムを実施します。やがて社会で必要となる力(態度・知識・スキル・行動・概念)を育む学びを子どもたちの発達や成長に応じて展開していきます。
地球環境や世界情勢の目まぐるしい変化に直面する不確定な時代に生きる子どもたちに必要な力は、異なる価値観や考え方を認めながら、自分の考えを根拠をもって伝えようと努力する「強さと柔軟性」です。
その力を培うために、グリーン・ヒルズではホンモノと向き合う実践活動を重視した課題解決型の3つの学習プログラムを実施しています。
1. 五感を育くむ学びのデザイン 感動から生まれる、探究の種探し
探究プログラムでは、子どもたちの「探究の種探しの現場・教材」として学校周囲の自然を最大限に活用しています。
例えば、私たちのりんご園に行くと、「風の音が体をさむくするように聞こえた(聴覚)」「カエルがバッタみたいに飛んでいた(視覚)」「木には何もさいてなく、さわるとつめたい感じがした(触覚)」「どろが、くさかった(嗅覚)」「なのはながだいこんの味(味覚)」など、五感を通して観察することで、様々な要素が集まりりんご園が存在していることに気がつきます。
そこで生まれた疑問を自分の問いとして立てていく思考過程を学びます。
2. 国際バカロレア 探究プログラム 世界が認める上質の概念型探究プログラム
グリーン・ヒルズは、2024年1月に、国際バカロレア機構(本部スイス・ジュネーブ)から、国際バカロレア(IB)のプライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)認定校としてIB World Schoolの一員になりました。
2024年8月現在、長野県では唯一、日本語で概念型探究プログラムを学ぶことのできる小学校です。
このプログラムでは、世界の子どもたちが共通で学ぶ6つの探究テーマに1年をかけて挑みます。各テーマの学習の過程では、こどもたちが得た知識を一般化し応用するための「概念化」を大切にしているために、幅広い見地から探究を進める力を培う素地づくりとなります。
3. 実践型の野外活動プログラム 体力を養い、リスクに対応できる学び
自然豊かな国立公園のフィールドで展開する野外活動で育つ実践力と応用力は、大人になっても自分を肯定的にとらえることのできる自信と信念を支える力となります。
一例として次のような野外活動プログラムを実施いたします。
春 ■ ビオトープの生物、校庭の植物観察・戸隠高原の野鳥観察
夏 ■ 浅川を辿る河川学習
秋 ■ 山登り・落ち葉を使った調理
冬 ■ クロスカントリー・飯縄山山麓スキー教室
○今年度の主な年間行事
4月:前期始めの会、入学を祝う会、避難訓練、授業参観①、学級懇談会
5月:個別面談(小)、野外活動①(地附山)
6月:幼小交流会①(小1・2)
7月:三者面談(中)、資源回収活動、夏休み(7/28~8/24)
9月:防災キャンプ(小3・4年)、幼小交流会②(小1・2)、三者面談、前期終わりの会
10月:後期始めの会、防犯訓練、Open School、野外活動②(飯縄山登山)
11月:宿泊学習(小5・6年)、授業参観②
12月:三者面談(中3)、幼小交流会③(小1・2)、資源回収活動、避難訓練、冬休み(12/26~1/8)
1月:スキー教室①、エキシビション/学習発表会
2月:スキー教室②、野外活動③(クロスカントリースキー)、幼小交流会④(小1・2)
3月:後期終わりの会、卒業を祝う会、春休み(3/16~)
通年:Callenge Thursdays、CAT(Creative Action Time)、学校見学会(5・6・7・9・10・1月)
入学検定(7月・11月・2月)
○クラブ活動 Challenge Thursdays!
毎週木曜日午後はクラブ活動の時間。生徒が自分で選んだクラブで知識・技術の幅を広げています。
乗馬 Horseriding
プログラミング Programming
ネイチャーキッズヨガ Kids yoga
ジャンベ・パーカッション Djembe & percussion
サイエンス・工作 Science & Craft
ヒップホップダンス Hip Hop Dance
スポーツチャンバラ Sports Chambara
ワクワク木曜日(小1クラブ)Exciting Thursdays
五感を研ぎ澄ましながら、世界レベルの概念型探究を学ぶ
Learn world-class inquiry program with five senses at Green Hills School
グリーン・ヒルズ小学校/中学校
校 長 徳武 隆夫
学校法人いいづな学園では、「感性豊かな人」「自律した人」「共生できる人」を育てることを教育理念としています。その理念に基づいて、グリーン・ヒルズ小学校/中学校では、本年度より新たな学校教育目標「みんなちがって みんないい」を設定しました。本校の校歌「私と小鳥と鈴と」(詩:金子みすゞ 作曲:関口さく子)の一節にあることばです。仲間の中で、互いに違いを認め合いながら、同時に自分自身のよさを自覚し、自己の可能性を伸ばしていく子どもの育成を願って、目指す子どもの姿を「仲間とともに自分の歩みができる子」として、「グリーン・ヒルズの探究」と「飯綱の自然を生かしたグリーン・ヒルズらしい活動」を創造する一年にしたいと思います。
グリーン・ヒルズ小学校は、国際バカロレア(IB)校として、初等教育プログラム(Primary Years Programme)により、未来を生きる子どもたちの思考力、実践力をはぐくんでいきます。本年度は、文部科学省より「教育課程特例校」の指定を受け、各教科・領域の授業時数を削減して新設教科「探究」を充実させる独自の教育課程を編成しています。また、縦割りの異年齢集団によって創造的かつ具体的な活動をつくるCAT(Creative Action Time)や、クラブ活動(ChallengeThursdays)など、新たな領域も設定しています。
グリーン・ヒルズ中学校においては、概念型探究学習を軸として、現実社会に生きる知恵と思考を養い、自己を再構築する思春期にふさわしい深い学びを展開していきます。そして、卒業時には、高い志を持って、自分で進路を切り拓いていく力を身につけた生徒を育てたいと思います。
本年度も、職員が心をひとつにして、子どもたちにとって魅力ある学校づくりを進めていく所存です。よろしくお願いします。